シューベルト 即興曲 op142-2


シューベルト 即興曲 op142-2

 この曲は1827年の12月に作曲されている。1797年生まれのシューベルトは1828年11月に没しているから、シューベルトの晩年の曲ということになる。晩年と言っても若干30歳で、普通ならば人生はまだ始まったばかりと言っていい若さである。晩年のシューベルトは梅毒を病んで体調がすぐれず、このころはウィーンでおとなしくしていたようだ。しかし作曲の方はめざましく、死期を悟っていたかのように数々の名曲を量産している。交響曲、ピアノ曲、室内楽、それにもちろん歌曲も。最高峰と言われる歌曲集「冬の旅」を書きはじめたのが1827年の2月で、10月にはいったん終了し、その後改訂修正を死の床まで続けていたようだ。そんな中で作曲されたこの即興曲が、冬の旅のあの暗い心境の影響がない筈はないのである。

 私が演奏に挑戦したのはこの作品142 D935 の第2曲にあたる。ABAの単純な三部形式で、技術的にはシューベルトの中でも簡単な部類に入る。多分テクニックのあまりない素人ピアノ愛好家を念頭に置いて、シューベルトが作曲してくれたのではないかと思う。お礼を言いたくなる。もとはくり返しの多い曲であるのだが、こちらはずぶの素人なので、くり返しはすべて省略して録画した。

 曲は長調の夢みるような旋律で始まる。まるでつらい困難な仕事の後、シューベルトがここでほっと一息ついているような印象を受ける。しかし途中に現れる暗い影は短いけれども強烈で、音楽の流れをいったん止めてしまう。夢をみる時間が間もなく終わってしまうことを予感し、それでも夢を見続けようとしているかのようだ。そんなことを考えながら弾いていると、シューベルトの音楽がさびしくてせつなく聞こえてくる。

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