テーマ:文学

立原道造 萱草(わすれぐさ)に寄す  その3

    またある夜に      立原道造   私らはたたずむであらう 霧のなかに   霧は山の沖にながれ 月のおもを   投箭のやうにかすめ 私らをつつむであらう   灰の帷のやうに   私らは別れるであらう 知ることもなしに   知られることもなく あの出會った   雲のやうに 私らは忘れるであらう   水脈の…
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立原道造 萱草(わすれぐさ)に寄す  その2

              ユウスゲ もしくはわすれぐさ(萱草)              この草を胸に抱いていると憂いを忘れるという      はじめてのものに      立原道造           ささやかな地異は そのかたみに   灰を降らした この村に ひとしきり   灰はかなしい追憶のやうに 音立てて …
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立原道造 萱草(わすれぐさ)に寄す  その1

詩集 萱草(わすれぐさ)に寄す   SONATINE No.1     はじめてのものに                 ささやかな地異は そのかたみに   灰を降らした この村に ひとしきり   灰はかなしい追憶のやうに 音立てて   樹木の梢に 家々の屋根に 降りしきつた   その夜 月…
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ヴァージニア・ウルフ  灯台へ を読んで

 「そう、もちろんよ、もし明日が晴れだったならばね」 というラムジー夫人の言葉から小説は始まる。それまで静かだった子供(ジェイムズ・ラムジー)の心の表面に言葉が水滴のように落ちる。落ちたあとからは波が輪の形で広がりあちこちに反響する。波は突然父親の言葉で激しくかき乱される。その波動が母親(ラムジー夫人)の心に伝わる。波はラムジー夫人の…
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雪女

 小学校4年の冬のことだった。日本列島の南をかすめるように発達した低気圧が通り過ぎて、東京にはめずらしく大雪が、50cmくらいになるまで降り続いた。電車はすべて止まり、道路を車が走ることもできなくなった。小学校はもちろん休校、雪が降りやんだ朝には陽がさして明るく、僕は1日中雪で遊んだ。近所の子供たちも現れ、雪合戦、斜面を何度もすべり降り…
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モンゴメリ 赤毛のアン

 先日子供と赤毛のアンの舞台公演を見に行った。それでこの機会に、昔読んだこの物語をまた読みかえしてみた。  マリラとマシューという兄妹の住むグリーンゲイブルスに、男の子と間違われてやってきた孤児のアンが引き取られる。アンは持ち前の明るさと努力で、この家族に受け入れられ、幸福に育っていくという物語である。出てくるアンという女の子は実に生…
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